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夢色の花束

Composer : 相生あおは

もっしもーし、ちゃんと起きてる?
あぁ、眠れてる? でもいいのか。うーん。
まあいいか。どっちでも。

ここがあたしが言ってた場所だよ。
お花畑と景色が綺麗でしょ。にひひ。
あたしのヒミツの場所なんだー。
ま、あたしと、君しか来れないし、ヒミツにしとく理由もないんだけど。

でね、ここに連れてきたのはちゃーんと理由があるんだよ?
いつもみたく行き当たりばったりに振り回したりなんかしないし、あんたなんて知らなーい、なんて態度もとらないよ?

え? 今日もさんざん振り回したろって? あはは、そうだっけ?
いやー、君と会えるのもそう時間は長くないしね。しょうがないじゃん?
むしろあーんなに楽しそうな場所にいて、はりきらない方がどうかしてると思うよ?あたし。

うんうん。そういうこと。
もうちょっとしたら、君にも見せたかったものが見えると思うから。

ほら見て、空にお花が! ……なんてね。綺麗な花火でしょ?
あの時は見れなくて、ちょっと、いや結構ヘコんじゃってたけど、今度はちゃんと君と見れて、良かったな。

……あたしらしくない? んー、でもホントのことだし。
君があたしのことをどう思ってるかはわかんないけど、あたしは「そう」思ってますよーってこと。

んー? どうって? それはあたしからは言えないなー。直接そのことを言うのってさ、かなり恥ずかしいし。
察しろ、ってやつだよ。

……えー、もう、しかたないなぁ。じゃあヒント代わりにお花をあげる。
ちょっと取ってくるね。

―――
――


はい、いつも君に渡してる花束だよ。
これで、わかってくれるよね?

……はぁ。これがヒント? って顔してるね。
君には乙女心というものの理解はまだ早かったかぁ。うーむ、とても残念。

いやいや、あたしだっていっつも勇気出してこの花束を君に送ってるんだから。
その勇気をたまにはくみ取って欲しいな。

なんて。

あ、そろそろ時間だから、あたしは戻るね。

君も、寝坊しないようにね。前みたいに寝ぼけてたら承知しないよ?

えへへ、じゃあね。

―20XX/yy/zz 少女と「 」の夢の中より。

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